チャイルドシートの新安全基準i-Size(アイサイズ)R129とは
チャイルドシート選定においてさまざまなワードが登場して困惑されている方も多いはず。
最近、特に目にするようになったワードに i-Size(アイサイズ)R129 があります。チャイルドシートの新安全基準だということはなんとなく理解しているが、自分にとって実際に必要なのか?どんなメリットがあるのか?とお悩みの方もいらっしゃいます。
そこで i-Size(アイサイズ)R129 とは一体何なのかを解説していきます。
2020年1月現在、まだまだ流通量が多くなく、価格もそれなりにする i-Size(アイサイズ)R129規格 のチャイルドシートですが、これを読んだら必要とお感じになるかもしれません。
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i-Size(アイサイズ)R129とは
チャイルドシートは安全基準をクリアした製品でなければ販売ができません。
日本で流通しているチャイルドシートは国連欧州経済委員会(United Nations Economic Commission for Europe)が決めたECE R44/04という安全基準を2012年7月より導入し、ほぼすべてのモデルが準拠しています。
ヨーロッパはチャイルドシートの先進地域。今では世界中の多くの国々で採用されており、国際的な安全基準になっていることから、日本でも採用しているというわけです。
このECE R44/04という欧州の基準をさらに強化した次世代の安全基準がi-Size(アイサイズ)R129なのです。
2020年1月現在、日本で販売されているチャイルドシートの多くはECE R44/04基準ですがi-Size(アイサイズ)R129がメインになる日もそう遠くはないかもしれません。
新基準i-Sizeと旧基準ECE R44/04の主な違い
側面衝突試験が基準化
最大の違いは安全性の向上にあります。
旧基準ECE R44/04では正面衝撃試験と後部衝撃試験のみでしたが、i-Sizeでは従来の前方後方からの衝突試験に加え、新たに側面からの衝突試験も設けられました。さらに衝突時の評価に、頭部の項目が加わり、お子さまの頭部・頚部の安全性を高めています。
これによりチャイルドシート本体の耐久性が高まり、安全性がより向上します。
旧基準ECE R44/04 側面衝突のみに対応
i-Size(アイサイズ)R129 側面衝突試験が基準化
チャイルドシート本体の固定方法
チャイルドシートを自動車に固定する方法は2つ。昔からある車のシートベルトを利用して取り付ける方法。もう一つはisofoxです。
従来のR44 / 04準拠チャイルドシートはシートベルト取付とisofix取り付けの2つの仕様がありますが、 i‐Sizeの場合、isofix取り付けのみとなります。
isofixは安全性は格段に向上していますが、取付車種に制限がありますので要注意です。
isofixとは
isofixとは、自動車の後部座席の隙間に内蔵された金属製のバーコネクターを使用してチャイルドシートに接続する取付システムです。チャイルドシートから飛び出た金属バーコネクターを自動車側にある金具にカチッと押し込むだけで取り付けは完了します。
誰でも簡単・確実に装着できる安全性の高い取付方法なのです。
15ヶ月までの後ろ向き使用の義務化
乳児期は衝突時の衝撃を緩和するためチャイルドシートは進行方向に向かって後ろ向きに設置することになっています。
従来のECE R44/04基準では、約9か月(10kg)頃までとなっていましたが、新基準のi-Sizeでは生後15か月までに義務化されています。
新生児期から乳児期はまだ骨格がしっかりと出来上がっていないことから正面衝突に直面した場合、前向き乗車のベルトだけでは体や頭を支え切ることは困難です。後ろ向きに設置することでチャイルドシート全体で衝撃を受け止め、負荷を分散します。月齢が伸びたことでよりさらに安全性が高まりました。
体重基準から身長基準に
チャイルドシートの選び方は従来、お子様の体重が基準となっていました。しかしながら体重のみを基準に置いた場合、お子様ごとの発育状況によって身長は異なってしまうため、正確な選定が困難な場合がありました。
i-Sizeでは適切なチャイルドシートを選ぶ基準をお子様の身長だけに単純化することにより、明確なチャイルドシートの乗り換え時期を把握することが可能となりました。
i-Sizeとisofixの違い
ここまでご覧いただければ i-Size(アイサイズ)R129 とは何なのかをご理解いただけたかと思いますが、i-Sizeとisofixを混同されている方も多いようなのであえてご説明いたします。
i-Sizeはチャイルドシートの安全基準のこと。isofixはチャイルドシートの取付方法のことです。新安全基準i-Sizeに準拠していない現行基準ECE R44/04のモデルにもisofixモデルは存在します。(もちろんシートベルト取付タイプもあります)
逆にi-Sizeはisofix取り付け仕様しかありません。
現行のECE R44/04基準適合のチャイルドシートの今後は!?
i-Size(アイサイズ)R129の普及に伴い、現行のECE/R44基準適合モデルは徐々にフェードアウトしていくのは自然の流れだと思います。
ただし、どこかを境に急に使えなくなるということは非常に考えにくいです。その理由は、2012年7月以降に発売された乗用車の全車種にisofixコネクタが装備されているものの、それ以前の車にはついておらず、古い車には物理的にi-Size(isofix取り付け)準拠のチャイルドシートがつけられないからです。現在のチャイルドシート市場ではisofixモデルが主流となりつつありますが、シートベルト固定式が完全に無くならないのはそのような理由がひとつ考えられます。
より高い安全性を求めるのであればi-Sizeは魅力的ですが、そのためにわざわざ車を買い替えるのもいかがなものかと思います。現行のECE/R44基準チャイルドシートを利用していても法律に引っかかることはありませんのでご安心を。
新基準i-Size(アイサイズ)R129利用の注意点
チャイルドシート全般に言えることですが、どの車にも装着可能というわけではありません。isofix取り付けのi-Size準拠チャイルドシートならなおさらです。
お求めになる際は必ずチャイルドシートメーカーの車種適合表をご覧ください。大手ベビー用品量販店であればどの店舗も直接ご自身の車へのフィッティングも受け付けてくれますので心配であればそちらをお勧めいたします。
i-Size(アイサイズ)R129基準モデル利用に向いている方
・とにかく一番安全なチャイルドシートを使いたい方
・安全性だけでなく利便性も求めたい方(ほぼフル装備のモデルが多いです)
・チャイルドシートは取り付けが面倒と考えている方(isofixは誰でも簡単・確実に取付可能)
・中大型の車に乗っている方(回転式タイプはどれも大柄のため、後部座席の占有率が大きいです)
・あまり予算にこだわらない方(そこそこの値段はします)
i-Size(アイサイズ)R129基準の主なチャイルドシート一覧
2020年1月現在、日本国内で販売されているi-Size(アイサイズ)R129準拠のチャイルドシートはまだまだ選べるほどの数はありません。
i-Size準拠の中から日本で一番需要のある新生児期から利用可能な回転式チャイルドシート(isofix対応)をピックアップしてみました。
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コンビ THE S(ザ エス)
画像:コンビ ホワイトレーベル THE S ISOFIX エッグショック ZA-670
THE S(ザ・エス)は2019年12月に発売になったばかりのコンビ製回転式チャイルドシートの最新モデル。
コンビの大ヒットモデル、クルムーヴシリーズの実質後継機種となります。
座面回転式チャイルドシートの中では最もコンパクトなモデルに部類しており、中小型車にも無理なく利用できるのは最大のポイント。
コンビ伝統の使いやすさは本モデルでも健在。回転駆動回りはとてもスムーズで操作ボタン等の配置も的確。
新安全基準R129に適合しており、側面衝突にも対応しているコンビの最新機種ということから安心感はトップクラスにあります。
・回転式チャイルドシートでは最もコンパクト
・的確な操作性
・小型車に最適
アップリカ クルリラプラスシリーズ
アップリカ クルリラは日本で初めて回転式チャイルドシートにおいてR129に適合したモデルとなったパイオニア的存在。この「クルリラプラス」は初期モデル「クルリラR129」の跡を継ぐモデルが続々と登場してきております。
2020年1月現在、R129に適合したクルリラは2機種。
上位モデルのクルリラプラス 360 セーフティーとスタンダードモデルのクルリラ プラスとなります。
どちらも基本構造は同じながら、より安全性の高いクルリラプラス360セーフティーに注目が集まっています。
クルリラシリーズは座面回転式で使いやすく、しっかりとした肉厚のあるクッションが特徴のワイドでゆとりのあるモデル。チャイルドシートでは長年の実績があるアップリカ製ということもあって国内でのR129モデルでは1.2を争う人気の機種となっています。
クルリラシリーズには他にクルリラACというモデルもありますが、こちらはR129に対応していません。
・どっしりとした重厚感で安心して利用できるモデル
・サイドシールドで強化したセーフティーモデルはさらなる高い安全性を実現
・充実したサポートクッション類
アップリカ フラディア グロウ ISOFIX 360° セーフティー
フラディアグロウはベッド型でおなじみのアップリカの超人気モデル。
赤ちゃんに無理のない寝姿勢を保てるフラットベッド型のチャイルドシートはアップリカのフラディアシリーズしかありません。
ベッド型という異質の形態でありながらisofix取り付けタイプが発売となり話題となったフラディアグロウですが今度はR129仕様が登場しました。
クルリラプラスに続くアップリカ製R129タイプの第二弾!
大きなシェードやフットカバーなどが装着された上位モデルの「セーフティープレミアム」とスタンダードな「セーフティー」の2グレード制。
安全性のアップリカという印象が定着していくのではと思います。
・チャイルドシートで唯一のフラットベッド型
・ベッド型でありながらR129に適合した唯一のモデル
・乳児、幼児期にもしっかりと使えるロングユースモデル
サイベックス シローナS i-size
サイベックスはドイツのベビー用品関連プレミアムブランド。
最近では同社の高級ベビーカーの「ミオス」が特に話題になりましたが、日本国内ではチャイルドシートのほうがどちらかというと知名度は高いようです。
「シローナsアイサイズ」はサイベックスでは最新かつ最高峰のi-size対応チャイルドシート。
ヨーロッパのチャイルドシートは自動車と同じく安全性に力を入れており、このモデルも例外ではありません。
半面、ヨーロッパブランドは安全性の高さには定評があるものの、使いやすさやデザイン性にイマイチ不満の残るモデルも多い中、利便性の高い日本ブランドと同等の座面回転機能や各所の使いやすさ、そして美しいデザインを兼ね備えたサイベックスのチャイルドシートは数年前より日本でも多くの方に受け入れられるようになりました。
・ドイツ発のプレミアムブランド、サイベックスの高級モデル
・曲線美が美しい独自のデザイン
・取付確認が一目でわかるインジケーター付き
レカロ ゼロワンセレクトR129
車好きならご存知、あのレカロのチャイルドシート。
360度回転機能を搭載した使いやすいモデルです。レカロ製チャイルドシートの中では一番人気のモデルです。
レカロらしいスパルタンなフォルムと胸踊る鮮やかなレッドカラーが印象的。
さぁ、お子様とドライブへ出かけませんか?
・クルマ好きのパパなら誰もが知っている憧れのレカロブランド
・レカロらしいスパルタンなデザイン
・集中インジケーター搭載で一目で操作確認が可能
ブリタックス デュアルフィックス アイサイズ britax DUALFIX i-SIZE
Britax Romarはドイツ発のチャイルドシートブランド。日本ではあまり馴染みがないものの、欧州では高い知名度と実績を持ち、ヨーロッパトップシェアを誇っています。最近では英国王室のジョージ王子も愛用されたことでも有名に。
また、メルセデスベンツやフォルクスワーゲンの純正チャイルドシートとして利用させていることから安心感とブランド力には絶大なものがあります。
i-Size(アイサイズ)R129の本場、欧州ブランドでしかもドイツのものだからといった理由でお求めになられる方も多数いらっしゃいます。
デュアルフィックスで特に目をひく箇所は着座位置。回転式チャイルドシートは利便性が高いものの、どのモデルも着座位置が高く、お子様の乗せおろしには少々難がありましたが、デュアルフィックスは高さを抑えた低重心設計で乗せおろしやハーネスの着脱がスムーズに行えるのが特徴です。
・欧州ナンバーワンの実績がある老舗ブランド商品
・数々のドイツ車の純正シートに指定されている
・低重心設計で乗せおろしが楽チン
マキシコシ アクシスフィックスプラス
マキシコシは世界的に有名なオランダのベビー用品ブランド。ペブルプラスをはじめとするベビーシートが特に有名ですが新生児期から使える良質なチャイルドシートタイプもバリエーションにあります。
ここでご紹介するアクシスフィックスは新生児期から使える座面回転式の人気モデル。
座面位置が低いこと、サポートレッグを使わないトップテザー固定方式であること、スマートベルトフックがついており、乗せ降ろし時に肩ベルトが邪魔にならないことなど、利便性の高い独自の機能が満載。
個性豊かなカラーバリエーションが揃っており、選ぶ楽しみもあります。
オシャレなママさんから特に注目を集めている今話題のチャイルドシートです。
・オランダの名門ブランド、マキシコシの最上級モデル
・座面が低く、乗せおろしがラクチン
・ステータス性の高い特別なモデル
レカロ ゼロワンエリートR129
ゼロワンエリートR129はレカロチャイルドシートのトップモデル。
チャイルドシートにベビーシートが合体した珍しい仕様のモデルです。
この不思議な形態はトラベルシステムとしての利用を前提として作られているため。
チャイルドシート単体で使用ももちろん可能ですが、レカロのカッコいいベビーカー、イージーライフと一緒に利用するとマルチな機能を持たせることができる優れたチャイルドシートです。
・レカロチャイルドシートの最上級モデル
・ベビーキャリアと一体化した珍しいモデル
・専用のベビーカーを利用するとトラベルシステムとして機能
さいごに
最新の安全基準、i-Size(アイサイズ)R129を搭載したモデルが2019年あたりから一気に増えてきました。まだ主流とはいえませんが、この動きは今後一気に加速していくものと思われます。
お値段が少々お高めなこと、まだまだ数が少ないため、選択肢が少ないことなどマイナス要素もありますが、最高の安全基準を満たしたモデルであるため、利用する価値は十分にあるでしょう。
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