isofix(アイソフィックス)とは
チャイルドシート選びで必ず耳にするのがisofix(アイソフィックス)という単語。
なにやら最新の機能らしき雰囲気はひしひしと感じるが、実際のところisofixとは何ぞやという方も多いはず。
isofixとは何なのかを分かりやすく解説いたします。
photo credit: Ford Mustang via photopin (license)
isofix(アイソフィックス)とは
isofix(アイソフィックス)とは、チャイルドシートの新しい固定方法のこと。
従来のチャイルドシートの固定方法はすべてシートベルトで行ってきましたが、新しい規格により誰でも簡単・確実に、しかも安全・安心して使える方式として注目を集めています。
基本設置操作はisofix対応のチャイルドシートの両サイドにあるコネクターを押し出して鰐口構造になっている先端部分を自動車後部座席にある取り付け金具 isofixアンカー にドッキングさせるだけ。
チャイルドシートの機種により付帯する若干の作業はありますが、メインの作業はこれで完結です。
isofixの語源は、国際標準化機構であるInternational Organization for Standardizationで制定されたことで、国際標準化機構(ISO)で定めた固定方式(FIX)を合わせた造語です。
チャイルドシートに限らず、ISO規格という言葉をお聞きになる機会も多いかと思います。
ISOは非政府民間機関ではありますが、その影響力は大きく、ISO基準がすぐに世界基準になる場合が多く、その流れからこのチャイルドシートの規格も世界標準になりつつあるのです。
海外メーカーから徐々に採用され始めたアイソフィックス規格ですが、ここ1~2年のうちに有力国内メーカーのコンビ、アップリカなど知名度の高いブランドをはじめ、海外でも評価の高いタカタやカーメイト社のエールベベブランドなど、名だたるブランドがisofix対応チャイルドシートを積極的にリリースしてきています。
isofixは自動車側も同じ規格を有していないと利用はできません。 2012年7月以降に発売されたすべての自動車はISOFIX対応となっているため、原則として利用は可能です。 ただし、車種と個々のチャイルドシートとのマッチングがありますので、自動車メーカーとチャイルドシートメーカーの適合表は要確認です。
isofixの実物と取り付け方法を見てみよう
isofixがどのようなものなのか、概要はご理解いただけたかと思います。
それでは実際にisofix部位の実物とisofix対応チャイルドシートの取り付け方法をご覧いただきます。
私の特にお気に入りの1台、コンビ社の新生児から利用可能な大人気機種
コンビ ホワイトレーベル ネルーム ISOFIX エッグショック NF 700
の動画を参考に見てみましょう。
isofix対応 コンビ ネルームの設置方法
STEP1
チャイルドシート本体を後部座席の上に置き、レッグサポートを引き出して座席の上に仮置きします。
STEP2
チャイルドシート後部より左右にあるアイソフィックスコネクターを引き出します。
STEP3
チャイルドシート本体から引き出したアイソフィックスコネクターを自動車後部座席にあるアイソフィックスアンカー(専用金具)に差し込み、カチッとロックするまで左右ともに押し込みます。
接続が確実に完了するとインジケーターが赤から緑に変わります。(本機種だけではなく、ほとんどモデルにインジケーターがついております)
STEP4
確認も含めてしっかりと固定されるまで押し込みます。
STEP5
サポートレッグを床面みつくまで長さを調整します。
【コンビ】 ISOFIX(アイソフィックス)対応チャイルドシート取付方法
by Combi Channel 【コンビ公式】(You Tube)
基本操作はどの機種もほとんど一緒
コンビホワイトレーベルネルームisofixエッグショック を使ってアイソフィックスの取り付け方法をご覧いただきましたが、それ以外のアイソフィックス対応機種も設置操作方法はそれほど変わりません。
概要が理解されましたら説明書を見なくても設置できるほど簡単です。(取り付けの際は念のため、取説は必ずご覧ください)
isofix(アイソフィックス)のメリットとデメリット
メリット
誰でも簡単・確実に取り付けが可能
従来のシートベルトを利用して固定するチャイルドシートの場合、個体差はあるものの全般的に設置は 難解+面倒 なのは否めません。
「後部座席にチャイルドシートを置き、上から押さえつけ、シートベルトを目いっぱい伸ばした状態で脇の穴から通した後、真ん中の溝に挟み・・・」
なんて具合です。
作業工程が非常に多く、ひとつひとつを確実にこなしていかなければなりません。
なんとか設置が完了してもシートベルトが緩めで確実に設置できていないなどの不具合もしばしば。対してisofixの場合、留め具に差し込むだけ!カチッとはまればメインの作業は完了です。
従来のシートベルト装着タイプではシートベルトの伸縮などにより、チャイルドシートにグラつきが出てくることもありますが、isofixは完全固定のためそのような心配もありません。
間違いがなく、だれでも気軽にほんの数秒で設置できるので簡単・安心に利用できます。
危ない現実⇨シートベルトタイプの従来型利用ユーザーの約7割が取り付け不完全
興味深いデータをご紹介いたします。
ロードサービスで有名なJAFが行ったチャイルドシート使用状況全国調査(2015)の一項目、(2)チャイルドシート取付け状況調査結果
車内のチャイルドシートが正しく設置されているか?
内を見るとしっかりと取付けている方は45.5%しかおらず、残りの54.5%が何かしらの設置ミスがあることがわかりました。
お子様の安全確保のために設置しているチャイルドシート利用者の10人のうち6人がチャイルドシートとしての機能を満たさず、取付不完全の状態で利用しているという驚くべき結果となりました。
取付不完全にも複数の理由がありますが、特に多かったのが以下の2点。
①腰ベルトの締付け不足 77.7%
②座席ベルトの通し方 9.2%
この二つだけで実に90%近くまで達します。
前途の数字は乳児用チャイルドシートの場合ですが、幼児用タイプでも結果はほぼ同じです。
チャイルドシートの設置は説明書を熟読しても、とても難解な作業なのは否めません。
設置時、複数の作業を同時に、しかも確実に行わなければならないとなると前途の結果もうなずける気がします。
このミスユースを確実に払拭するのがisofixの最大の利点。
アイソフィックスのチャイルドシートならば、誰が設置しても取付ミスは限りなくゼロに近い状態にまで可能となりました。
複数所有の自動車間でも移動がラクラク
複数の自動車を所有され、チャイルドシートをご利用になられているご家庭の場合、
1.自動車ごとにチャイルドシートを設置している。
2.都度、チャイルドシートを乗せ換える
のどちらかではないかと思います。
1.を選択されている方の一番の理由はチャイルドシートの乗せ換えが面倒だから。
シートベルトで固定する従来型の場合、取り付け・取り外しに時間がかかるための対処法と思われます。
金銭的に余裕があれば、この選択も考えられますが、短期間しか利用せず、しかも決して安くはないチャイルドシートを何台も所有しているのはいかがなものかと思います。
とはいっても都度、チャイルドシートを乗せ換えるのも面倒。 すべての自動車にisofixマウントが付いていて、規格が合致していればisofix対応のチャイルドシート1台があればOK。
取り付け・取り外しを含め、移動時間はほんの数分、慣れれば数秒で完了するのでとても便利です。
デメリット
アイソフィックス規格の自動車にしか取り付けができない
isofix規格のチャイルドシートは一部を除き、シートベルトでの固定ができません。
前途でご紹介しましたメリットとして複数の自動車に対応可能と申し上げましたが、isofix規格を有していない自動車だと全く利用できないので要確認です。
重量増
isofix機能の付加により従来型に比べてそれなりの重量増があります。新生児対応モデルは元々が重いため、それほど負担になりませんが、軽量に作られているジュニアシートの場合、はっきりと重量増加は実感できるほどです。
一度設置してしまえば重さは関係ありません。
重量増加はむしろ安定性が増すため、メリットとして考えることもできます。
従来型に較べて高額
ここ数年のうちに普及しはじめた規格のため、従来型に較べてまだまだお値段は少々お高め。
それでも、isofixに対応した自動車をお持ちであれば強くお勧めいたします。簡単なのはもちろん、確実に設置でき、安全を確保できるのであれば高い買い物ではありません。
isofix対応のブランド別人気機種を見てみよう
チャイルドシートメーカー各社の人気ISOFIXタイプをピックアップしてみました。
コンビ クルムーヴ ISOFIX シリーズ
クルムーヴシリーズは2016年7月に発売になったばかりのコンビの最新モデル。
大人気だった先代モデル「ネルームシリーズ」をさらにバージョンアップさせた大人気の回転式チャイルドシートです。
新製品ということもあり、現行モデルの 座面回転式+isofix モデルでは現在一番人気。
新生児期から利用可能なISOFIX対応モデルの中では業界屈指の最上級機種です。
クルムーヴのisofixタイプは3グレード。
最上位のJG-800は通気性に優れたシートと蒸れやすい座面を電動ファンで換気する革新的機能を装備したことで話題となっております。
売れ筋は中間グレードのJG-650。一通りの装備が揃った安心モデル。
最上位モデル ⇒ クルムーヴスマート ISOFIX JG-800
ハイグレードモデル ⇒ クルムーヴスマート ISOFIX JG-650
スタンダードモデル ⇒ クルムーヴスマート ISOFIX JG-600
コンビ ホワイトレーベル ネルーム ISOFIX エッグショック
新生児期から対応のコンビの人気モデル
前途でご紹介した後継モデルの「クルムーヴシリーズ」が発売になったことで実質、型落ちとはなりましたが、2016年8月現在では2~3割安いお手頃な価格で販売されていることから、人気の衰えは感じません。
ただし、在庫限りと思われますのでご注意を。
コンビで長年実績のある回転式を採用し、メリハリの利いたしっかりとした操作性は安心感があります。
グレードはNF-600,NF-700,NF-800の3種類。売れ筋は中間モデルのNF-700。
⇒ ネルーム一覧
コンビ ネセルターン ISOFIX ED
手軽に使えてリーズナブルなISOFIX
上位機種のネルームと比べてクッション部分などに違いはあるものの基本機能はほぼ一緒。
それでいてリーズナブルな価格帯はとても魅力的です。
もちろん回転機能もついてますのでママも乗せ下ろしはラクにできます。
ISOFIX対応のチャイルドシートは高額なのであきらめていたという方、ネセルターンをぜひご検討ください。
アップリカ
アップリカ クルリラ ISOFIX
自然な姿勢でゆったり座れる回転式
クルリラはアップリカの最新型トップモデル。無理のない姿勢でゆったり座れる回転型シートを採用。リクライニングは7段階可能など、今までにない機能を搭載したチャイルドシートです。乗せ下ろしがラクな片手ワンタッチ回転シートは、赤ちゃんをだっこしたママが片手でも簡単に操作ができるので助かります。また、ISOFIXタイプには珍しく、シートベルトでの固定も可能。「赤ちゃん医学」「育児工学」を追求し、赤ちゃんに優しい医学構造を追求したアップリカらしい製品に仕上がっています。
タカタ
takata04-I fix プレミアム
世界から評価の高いタカタの最上級モデル
チャイルドシートアセスメントで常に高い評価を受けている世界的にも有名なタカタ04シリーズの最新ISOFIXモデル。国内メーカーの中ではいち早くISOFIX機種を投入しており、実績は十分。無駄のないデザインと機能性はチャイルドシートのお手本ともいえる逸品です。
⇒ 【Amazon.co.jp限定】タカタ 04アイフィックス ISOFIX
ISOFIXはチャイルドシート規格の本流になりつつある!
前途でご紹介いたしましたISOFIXチャイルドシートは新生児から対応した特に人気の高い機種を掲載いたしました。これら以外にも複数の製品があり、幼児期から利用可能なジュニアシートタイプや乳児期専用のベビーシートタイプを加えるとかなりの数になります。
ここ1~2年でISOFIX対応機種は急激に増えてきており、今後もこの流れは変わらないでしょう。現行販売モデルの自動車にはISOFIXアンカーが必ず装備されているので該当車種をお持ちのこれからのチャイルドシートユーザーさんはISOFIXモデルから検討される方が増えてくるのは間違いありません。
isofix(アイソフィックス)対応チャイルドシートの普及率は?
ベビー用品量販店のチャイルドシートコーナーで最前列の目立つ位置に陳列されているのはアイソフィックスタイプ。販売店もイチオシと思われるレイアウトを見ていると、それなりに売れているのは想像できます。
ベルト固定式に較べ、メリットが多いisofixチヤイルドシートだけにかなりの普及率ではないかと思われますが、どれぐらいの割合で売れていると思いますか?
ネット上にもそれらしきソースが一切なかったので確実な数値はわかりませんが、参考になる話をいただきましたのでそちらをシェアいたします。
2016年8月の某日、ベビー用品大手量販店のチャイルドシート担当者にお話しを伺いました。
2016年8月現在、その店舗ではisofixタイプをお求めになられる方の割合は約4割程度とのこと。残りの6割がベルト固定モデルとなります。これは、新生児から利用可能なモデルでのお話です。ジュニアシートの場合は現状ではisofixモデルが多くないため、ほとんど出ないとのことでした。
この4割の販売割合は私個人的にはとても多いと感じました。
2012年7月以降に販売された車のすべてにisofixマウントが設置されているのですが、それ以前のモデルはまちまち。すべての車にisofixマウントが装備されていない状態での数値なのでかなりの普及率ではないかと感じました。
車側はこれからどんどんisofix対応モデルが増えていきます。そうなれば今以上にisofixチャイルドシートが普及するのは時間の問題といえるでしょう。
*注 意(重要) 必ず取付車種リストをご覧ください
ISOFIXチャイルドシートは当該自動車がISOFIXに対応していなければ利用できません。チャイルドシートメーカーのサイトにある車種適合表をご覧になるか、自動車のマニュアルをご覧のうえ、ご確認ください。
ISOFIXは統一規格ではありますが、自動車側の座席の形状や床構造等の違いにより、車にISOFIXアンカーがついていても、すべてのISOFIXチャイルドシートが装着できるわけではありません。
必ずチャイルドシートメーカーの製品別車種適合表をご覧になり、ご自身の車に装着可能か否かをご確認ください。
スポンサーリンク