回転式と固定式チャイルドシートの違いは?特徴やメリット・デメリットを見てみよう

2020-01-13

チャイルドシートを選定する際、いろいろな用語が入り乱れており、混乱されるかと思います。その一つが回転式と固定式。両者のチャイルドシートにはどのような違いがあるのか?

特徴やメリット・デメリットなども解説していきます。

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回転式チャイルドシートとは

チャイルドシートは利用月齢・年齢によりさまざまな種類があります。

一般的にチャイルドシートというと、新生児期から2~3歳ぐらいまで長く使えるモデルを想像されるのではないでしょうか。ベビー用品量販店へ出向くと、あなたの想像するいわゆるチャイルドシートが目立つ位置にたくさん陳列されているかと思います。

例えばこんなモデル。

画像:コンビ THE S ISOFIX エッグショック ZA-670

どっしりとした重厚感あるこのようなモデルを想像されませんでしたか?前途画像のモデルは新生児期から4歳ぐらいまで利用可能な日本市場では最も需要のあるモデル形態です。

チャイルドシートは特に新生児期のお子様が快適にかつ安全に移動する際の補助ツールとして認識されています。この安全性と快適性の次に重要視されるのが利用する際に乗せやすさ。乗せやすさをはじめとする使いやすさを重視すると回転式にたどり着くのです。

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こんなタイプです。

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画像:コンビ クルムーヴ スマート ISOFIX JJ-650

回転式チャイルドシートとは座面部分がクルッと回転するタイプ。

座面を回転させることにより向きが変わり、お子様の乗せやすさが格段に向上します。従来型の固定式チャイルドシートに比べて乗せ下ろしがスムースに行えます。

回転方式は車内の狭いスペースを有効に利用するための知恵ともいえます。

まずは回転式チャイルドシートとはどのようなものかご覧いただければと思います。

現在一番人気といわれているコンビ クルムーヴ の動画から。

13秒あたりから回転機能が見られます。

簡単操作で乗せ下ろしが楽なことがご理解いただけるかと思います。

 

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画像:コンビ クルムーヴ スマート ISOFIX JJ-650

また、シート部を回転させることで年齢・月齢による仕様変更が容易にできます。

 

回転式チャイルドシートのメリット・デメリット

回転式のメリット

・回転機能によりお子様を乗せる際、ドア側に座面を向けることが可能で乗せ下ろしが楽ちん。

画像:エールベベ・クルット4i プレミアムドライ isofix

座面が回転しない一般的な固定式チャイルドシートの場合、狭い車内も相まって無理な体勢からお子様を乗せ下ろしせざるを得ない状況になります。この作業がどれだけ困難か、実際にご利用いただいた方は深く理解されるはずです。

チャイルドシートはただ乗せるだけではなく、チャイルドシートに備え付けられた5点式のシートベルトをお子様に装着する作業も発生します。

回転させて乗せやすい位置からベルト固定をするか、無理な体勢で作業をするかの違いはかなり大きいな違いがあります。

・一度据え付けてしまえば新生児期から乳幼児期まで対応

画像:コンビ クルムーヴ スマート ISOFIX エッグショック JJ-650

チャイルドシートは新生児期と乳幼児期では設置方法が異なります。新生児期は進行方向に向かって後ろ向きに、乳幼児期は前向きに設置することになっています。

新生児期はまだ骨格が不安定のため、万が一のときに備えてチャイルドシート本体がカラダをしっかりと受け止めなければなりません。そのため後ろ向きに設定するのですが、回転式ならばボタンの操作のみで前後を入れ替えることが可能です。

・安全性の配慮は高い傾向にある

回転式チャイルドシートは新生児期から利用可能な一番の売れ筋カテゴリーモデルだけに各メーカーの安全性への配慮は高い傾向にあります。価格の高低だけでは安全性の優劣は判断できませんが、高額な最新モデルは安全性を注意深く配慮しているのは間違いありません。

回転式デメリット

・価格はお高めの傾向があります。

固定式に比べて付加機能がある分、チャイルドシートとしては全般的に見てお値段はお高め。しかしながら、廉価版モデルもちらほらと出てきており、価格の上下については一概にいえない部分もございます。

・大きく重い

全般的に大きく、しかも重い(重量がある)傾向にあります。

チャイルドシート本体を複数の自動車にて利用する機会が多い方にとっては少々面倒かもしれません。しかしながら、この「大きい・重い」はデメリット欄にて申し上げているものの、実は大きなメリットでもあるのです。

重い ⇒ 重量が増加している理由は台座部分にあります。総重量に占める割合のほとんどが台座部分なのです。持ち運びには不便さを感じますが、1台の車で利用する際には全く問題はなく、むしろ重量増からくる安定感は安全に直結します。

大きい ⇒ 座面部分が大きく感じるモデルが多い傾向にあります。赤ちゃんの居住性や乗せやすさの点でいえば、これもデメリットとは言い切れない部分もあります。 

・シートポジションが高め

回転機能装置があるためシートポジションはどのモデルも全般的に高い位置にあります。低い位置にあるほうが乗せおろしは楽。しかしながら、回転機能がついているので自然な体勢からの乗せおろしが可能となり、シートポジションが高いからといって一概に扱いにくいとは言い切れません。

・小型車には不向きな場合も

台座部分が高いことにより本体の高さもあり、しかもそれなりに大きいことを勘案すると、省スペースの小型車(特に軽自動車)では不向きな傾向にあるかもしれません。

回転式チャイルドシート選びのポイント

ここまでご覧いただいた通り、回転式チャイルドシートの最大のメリットは乗せ降ろしの利便性。

サッと回転させてお子様を乗せやすい位置にできることがポイント。

そこで特に注目したいところが、簡単に回転できるかどうか?にあります。

回転タイプが出始めた当初は操作性が良好とはいえないモデルも多く、回転することでの利便性はありながら操作性が悪いため、あまり利用しなかったというユーザーの声も少なからず聞こえてきました。

現行モデルのほとんどは、ややこしい操作はなく、軽やかな操作性を備えています。

お子様をチャイルドシートに乗せるときのシュミレーションをしてみてください。

片手でお子様を抱きかかえながら、もう片方の手で操作することになりますよね。

画像:エールベベ クルットNT2 プレミアム

 

その際は、簡単でしかも確実に行われなければ意味がありません。

そこで、以下にご紹介する回転式のおすすめチャイルドシートではそのあたりもしっかりと考慮に入れた選定となっております。

*どのチャイルドシートもすべての車に利用できるわけではありません。メーカーページからあなたの自動車に取り付け可能かどうかを必ずご確認ください。

回転式チャイルドシートのお勧めモデル

回転式チャイルドシートのブランドは国内大手3社、コンビ、アップリカ、エールベベ(カーメイト)の独壇場といえます。ほかのメーカーからもごく少数販売されていますが、ベビー用品量販店での露出度を見てみるとこの3社が圧倒的なシェアを握っているのは間違いありません。

コンビ THE S(ザ・エス)

ザ・エスは2019年12月に発売になったばかりのコンビチャイルドシートの最新モデル。

回転式チャイルドシートの中ではとびぬけてコンパクトに仕上がっており、中小型者に利用できる点が評価されています。

isofix仕様でしかも最新の安全基準R129に適合した安全性の高いモデル。

軽量・コンパクトでしかも安全性が高いうえ、人気のコンビ製品ということもあって発売直後から高い注目を集めています。

コンビ クルムーヴシリーズ

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コンビ クルムーヴは新生児期から利用可能な現行チャイルドシートの中では1.2を争うほどの超人気モデル。本体は他モデルに比べると回転式とは思えないほどコンパクトにできており、後部座席に設置しても同乗者のスペースを極度に占有することはありません。

「生まれたときは小さく。成長したら大きく」のキャッチフレーズのとおり、発育によって大きさの調整が可能。リクライニングとヘッドレストの調整によって大きくも小さくも使えるのは回転式チャイルドシートではこのモデルのみ。

isofixモデルとシートベルト取付モデルがありますが、2020年1月現在では圧倒的にisofixモデルに人気が集中しております。

isofixモデルは 最上位モデルの JK800 、 ハイグレードモデルの JK600 、 スタンダードモデルの JK550 の3グレード。

シートベルト取付モデルは、 ハイグレードモデルの JK600 、 スタンダードモデルの JK550 がラインアップ。

isofixは JK600 、 シートベルト取付モデルは JK550 に人気が集中しています。

また、同モデルながら発売時期によって型番と価格が異なるモデルが複数ありますので要チェックです。

*注意:JK600モデルJK550モデルともにisofixタイプとシートベルト取付タイプがありますのでご注意ください

アップリカ フラディアグロウシリーズ

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アップリカは回転式チャイルドシートの中で唯一、ベッド型を採用するブランド。長年に渡りベッド式を採用してきた安心と実績があります。ゆったりとした寝姿勢を確保できるため赤ちゃんは普段通りののびのび姿勢で移動できるのが最大のポイント。新生児期の安全性と快適性の両方を確保できるチャイルドシートとして評価の高い一台です。もちろんながら多彩なリクライニング機能も備えており、1歳ごろからはイス型としての利用も可能です。

最新モデルはここでご紹介するフラディアグロウ。フラディアグロウシリーズはisofixとシートベルト式の2つの取付方法から選べます。人気はやはりisofixモデル。

豪華な外観と至れり尽くせりの装備類、そしてisofixの安全性などチャイルドシートのトップモデルらしい仕上がりとなっています。

アップリカ クルリラシリーズ

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クルリラシリーズはISOFIX取付タイプの回転式イス型チャイルドシート。クルリラAC モデルはisofixだけでなくシートベルトの取付も可能。

最新モデルの クルリラプラス は前後からだけでなく、ドア側からの衝撃も考慮した新安全基準、R129に適合。

横幅がゆったりとしており、大きくなったら安定した姿勢を確保できるフットステップを搭載するなど月齢が嵩んできた幼児期のことも考えられて作られているロングユース性が魅力です。

エールベベ クルット4シリーズ

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エールベベはコンビ、アップリカと並ぶ日本3大チャイルドシートメーカーとして長年に渡り、トップメーカーの座にある伝統のブランド。知名度は前2社ほどはないもののトータルクオリティが高くスタイリッシュなチャイルドシートを常に排出していることからこのカテゴリーのチャイルドシート選びには必ず候補に入れなければならない一台です。

2020年1月現在の主力モデルはクルット5シリーズ。isofixモデルとシートベルト固定モデル両方がありますが、人気はやはりisofixモデルの5iシリーズ。バリエーションは上位モデルの グランス とエントリーモデルの プレミアム の2本立て。細かな違いはあるもののベースは一緒で機能性もそれほど差がなく、価格もお手頃なことから プレミアムモデル に人気が集中しています。

エールベベ クルットNT2 プレミアム

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エールベベクルットNT2は長年人気を維持しているロングセラーモデル。シートベルト取付タイプとなります。2020年1月現在では3万円を割るリーズナブルな価格が魅力。

高額モデルのみに採用されているサンシェードも搭載され、綺麗な座面形状など洗練された豪華な外観は赤ちゃんのくつろぎの場としては申し分ありません。

チャイルドシートアセスメントにおいて最高評価の「優」を獲得した安全性の高いモデルとしても大いに評価されています。

アップリカ ディアターン プラス

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ディアターンはアップリカのベッド式モデルでは長年にわたり人気を維持してきたロングセラーモデル。フラディアグロウが発売になったことにより実質旧モデルとなりましたが、実用面では新型と比べても遜色なく、お手頃な価格帯になってきたことによりむしろこちらのモデルを選択する方もかなりいらっしゃいます。

シートベルト固定式のみとなりますが、一度設置してしまえば長期間取り外すことはないので特に問題とはならないでしょう。

ディアターンシリーズはサンシェードが搭載された上位モデルのディアターンプラス プレミアムとスタンダードなディアターン プラス ABの2グレード制。

どちらも3万円前後とリーズナブルな価格帯が魅力です。

固定式チャイルドシートとは

固定式チャイルドシートとは前途画像のような座面の回転機能がないタイプです。

チャイルドシートは利用月齢・年齢により安全性を最大限に発揮するために前後の方向変換をする必要があります。回転式チャイルドシートであればボタンやレバーのワンタッチ操作により前後を変えるのは容易にできますが、固定式セパレートタイプの場合、座面部を取り外し、前後を逆にして取り付けるという作業が発生します。

画像:takata04-I fix

固定式チャイルドシート セパレート式

前途画像はセパレート方式を採用したtakata04-I fix

右画像は乳児期利用時の後ろ向き。左画像は進行方向を前にした幼児期の利用形態です。

左右ともに同じチャイルドシートですが座面部分を取り外し、向きを変えているため異なるモデルに見えてしまうかもしれません。

固定式チャイルドシート 一体型

以下はリーマンの主力モデル。新生児期からロングに利用可能ながら、軽量・コンパクトでしかもコストパフォーマンスの高い人気モデル。

新生児期と乳児期では背面・対面を使い分けなければなりませんが、切り替えの際は本体自体の方向を変える作業が発生します。

画像:リーマン ピピデビュー

固定式は回転式に比べて余計な作業が発生してしまうと誤解を受けるかもしれませんが、メリットもたくさんあります。それでは回転式・固定式のメリットとデメリットを見ていきましょう。

固定式チャイルドシートのメリット・デメリット

ここまでご覧いただくと回転式のほうが分があるとお感じではないでしょうか。しかしながら、固定式にも回転式にはないメリットがいくつかございます。

固定式メリット

・軽量・コンパクト

回転機能が付加されていない分、軽量かつコンパクトにできている傾向にあります。複数の自動車で利用する際、重く、しかも大きいチャイルドシートですと本体の乗せおろしに苦労しますが固定式の場合、余計な機能を省略している分、軽量・コンパクトに仕上がっている傾向にあり、そのような負担は回転式に比べて多くはないといえます。

・安価

最小限の機能の抑えているため、価格は回転式に比べて比較的安価といえます。

デメリット

・赤ちゃんの乗せおろしが回転式に比べると劣る

回転式の場合、レバー操作によりお子様を乗せやすい位置まで座面の角度を調整できますが、固定式の場合、角度調整ができないため、少々慣れが必要となります。

・華奢に見えるモデルも・・・

固定式モデルは軽量・コンパクトなモデルが主流となっていますが、回転式に比べると華奢な印象があります。チャイルドシートには安全性を計るしっかりとした基準がないため、見た目だけで判断してはいけませんが重厚感のある回転式に比べると見劣りするのは仕方がありません。

・選べる選択肢が少なくなりつつある

新生児期から利用可能なチャイルドシートは回転式が主流になりつつあり、固定式の選択肢が少なくなってきています。ネット上では依然として複数販売されているのを見かけますが、大型ベビー用品実店舗へと出向けば固定式のあまりの少なさに驚かれることでしょう。

固定式チャイルドシートのお勧めモデル

固定式チャイルドシートとは座面の回転機能が付いていない機種を言います。新生児期と乳幼児期との使い分けはシート座面が前後にスライド(リクライニング)することによって調整する一体式モデルとベースメントから座面を取り外して方向を変換するセパレート式があります。

リーマン レスティロ

リーマンは新生児期から利用可能でありながら、軽量+コンパクト、そしてお手頃な価格が魅力の日本製チャイルドシートの老舗ブランド。複数のモデルを輩出していますが、良心的な価格とロングセラーモデルである実績を兼ね備えた ピピデビュー は依然として人気。そのほかにも側面衝突時も考慮に入れた最上位モデルの レスティロ や、シャープなスポーツデザインが美しい ソシエプラス3 などが人気を集めています。

軽量・コンパクトなため、複数の自動車への載せ替えも苦にならないパッケージングが魅力。また、軽自動車にも無理なく利用できる大きさなのはありがたいところ。高品質にプラスしてリーズナブルなプライスであることから、たまに遊びに訪れるお孫さん用にとお求めになる方が多いのもこのモデルの特徴です。

リーマン レスティロ ISOFIX

リーマンでは珍しくベースメントをisofixで固定し、座面を取り外して前後を入れ替えるセパレート式を採用。isofixタイプはどの機種にしても依然として高額なのは2020年1月現在での認識ですが、このモデルは4万円ちょっとでとてもリーズナブル。isofixの安全性とお求めやすい価格を伴ったコストパフォーマンスの高いモデルです。

タカタ04 アイソ

タカタは自動車関連の安全装置を複数取り扱う世界的なメーカー。エアバッグ問題で一時期大きな話題を集めましたが、その一件とチャイルドシートは完全に別物。

国内主要自動車メーカーの純正チャイドシートにも多数採用されているように世界的に見てもトータルクオリティの高いモデルを長年排出していることでも有名です。

タカタ製チャイルドシートにあって現在、一番人気なのがこの 04アイソ。isofix固定式でベースメントから座面部を取り外して前後を変換するセパレート式。成長に応じて肩ベルトの高さを調整する際、簡単にしかも確実に行えるショルダーアジャスターの採用や側面衝突から赤ちゃんを守る安全快適なエアパットを配置するなど、安全性と使いやすさが融合した優れたモデルです。

isofixモデルでありながら、3万円程度の良心的な価格も魅力のひとつです。

コンビ ウィゴー サイドプロテクション エッグショック LG

コンビでは珍しい軽量+コンパクト&安価な実用性の高いモデル。固定式ながら低重心座面設計で乗せおろしが楽なのが特徴。

赤ちゃんの顔横部分に大きく張り出したサイドプロテクションとコンビ伝統の超吸収素材「エッグショック」がもしもの衝撃から強力に守ってくれます。

シートベルト固定式ながら複雑な操作は必要ないので簡単に取り付けが可能なのも嬉しいところ。安心と信頼の「Maide in Japan」モデルです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

固定式と回転式にはさまざまな特徴があり、一概にどちらが良いとは言い切れません。

使いやすさを優先させるならば回転式、価格で選ぶならば固定式を。大雑把ではありますが、こんな感じで捉えていただいてよいかと思います。

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